色々な屋根材
今回はモニエル瓦を徹底解説
モニエル瓦の特徴・劣化症状とメンテナンスする際の注意点を解説。

「そもそもモニエル瓦って何?」
「いい屋根なの?悪い屋根なの?」
「瓦屋根なのに塗装しなきゃいけないの?」
と分からないことが多く調べているのではないでしょうか。
モニエル瓦とは乾式コンクリート瓦とも呼ばれる、おしゃれなデザインの優秀な瓦です。
しかし年数が経つと劣化症状が出てメンテナンスが必要になります。
この記事では、モニエル瓦の特徴と、築10年前後で現れる劣化症状についてご紹介していきます。
また、塗装メンテナンスの失敗例や塗料選びについても解説していきますので、正しいメンテナンス方法で長持ちさせていきましょう。
モニエル瓦とは
モニエル瓦とは、大まかに分けると、セメント瓦の一種です。
別名 乾式コンクリート瓦や乾式洋瓦と呼ばれます。
一見すると通常のセメント瓦と似ている為、間違えやすいのですが、

見分けるポイントとしては縁の断面がツルンとしているか、凸凹しているかで見分けます。
モニエルという名は、”旧 日本モニエル株式会社”が販売していた屋根材の商品名であり、非常に多く普及した為、そのまま屋根材名として建築業界に定着しました。
現在はメーカー自体が解散したため、製造はされてません。
モニエル瓦の特徴
1 耐震性・断熱性が高い。
モニエル瓦は、主成分がセメントと砂でできており、日本古来の和瓦よりも軽量です。
その為、耐震性/断熱性に優れている、性能の高い瓦です。
ただ、セメントは水分を吸収すると劣化してしまうため、モニエル瓦もセメント瓦同様にメンテナンスが必要です。
※モニエル瓦専用の材料・工法でのメンテナンスが必須。
2 デザイン性が高い
モニエル瓦は、洋瓦とも言われるようにデザイン性が高いのが特徴です。
様々な形状・色彩のものがあります。
モニエル瓦の表面には、”スラリー層”と呼ばれる着色剤の層があります。このため色鮮やかでお洒落な物が多いのも特徴です。

モニエル瓦の最大の特徴である”スラリー層”お洒落の要。 これが後々のメンテナンス時の最大の難関になってくるとは…
モニエル瓦のメンテナンス
モニエル瓦は、築10〜15年までには一度塗装が必要です。
先に申した通り、モニエル瓦の主成分であるセメントは水分を吸収すると劣化してしまう為です。
10〜15年程で、瓦表面の撥水性能が切れてしまう為、メンテナンスは必須となります。


モニエル瓦のメンテナンス方法
塗装する
モニエル瓦のメンテナンスにおいて、定番の方法は、”瓦を塗装する”です
塗装メンテナンスの手順をご紹介
1,高圧洗浄にて汚れを綺麗に取り除きます。
2,モニエル瓦”専用”のプライマーを”たっぷり”塗布する。※注このプライマーをケチると、仕上がり・耐候性能が格段に落ちます。(今回は、プライマーの吸い込みが酷かったのでプライマーを2回施工しました。)
3,上塗り1回目
4,上塗り2回目
施工完了となります。







手順をしっかり守り、現状の状態に適切な施工を施すと美しく仕上がります。
メンテナンスに失敗しない!業者の選び方
1 意外と多いモニエル瓦の塗装メンテナンスの失敗例
1,塗装業者の材料選定ミス&施工不良
素人の皆さんは、意外に思うかもしれませんが、モニエル瓦メンテナンスで最も多いのが材料の選定ミス。
なぜこのようなことが起きるのか…
モニエル瓦は他の屋根材塗装メンテナンスに比べ、手間と材料費が余計にかかります。
塗装の知識がない営業マンが、他社との相見積もりに負けたくないと金額を無理して下げたが故に、工事に対しての材料費/手間費を掛けられなくなった。(本来使うべき材料が使えない。)
これが最も大きな原因です。
完全に管理営業会社サイドと現場職人会社サイドで予算と打ち合わせ内容に乖離が生じてしまっています。
失敗例

施工不良が起きると、2〜3年でペラペラと剥がれてきます。5年程で全体が剥がれてきます。
専用プライマーを使わなかったり
材料をケチって、2缶必要なところを1缶で終わらせたり。
一度こうなると、次の塗り替え時に余計にお金がかかります。
これを防ぐには、
・モニエル瓦の知識が十分にあり、塗り替え実績がある会社を選ぶ。
・職人直営の会社を選ぶ。
・どのような工事をするのか事前に打ち合わせをする。
・大幅に値下げをしてくる会社は、まず疑う。
まとめ
モニエル瓦は、機能性もデザイン性が高く、優秀な屋根材です。
ただし、施工が難しく、手間がかかる為、施工店の選定には十分注意しましょう。
しっかりとしたメンテナンスをすることによって、永く美しくお使いいただけます。
適切な時期にしっかりとメンテナンスしてあげましょう。